サンの生い立ちは「生贄」!?もののけ姫の壮絶な過去が明らかに
スタジオジブリ作品にはそれぞれ魅力的なヒロインが登場します。
「天空の城ラピュタ」のシータや「魔女の宅急便」のキキなど…心惹かれるヒロイン達に負けじと「もののけ姫」のサンもファンの多いキャラクターですよね!
彼女は山犬である「モロの君」によって実娘のように育てられ、次第に森に危害を加える人間達を憎むようになります。
ですが、その理由が「サンの生い立ち」に秘められていたのをご存知でしょうか?
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「もののけ姫」サンの悲しい生い立ちとは?
「もののけ姫」のサンは山犬のモロやその息子達と共にシシ神の森で暮らしていますが、なぜサンは幼少時代を森で過ごすことになったのか?
その生い立ちにまつわるヒントがモロのセリフに隠されていたのです。
作品の中盤で、傷から回復したアシタカとモロが二人で会話する場面がありますよね。
モロは「森を侵した人間が、我が牙を逃れるために投げてよこした赤子がサンだった」とアシタカに告げていますが、ここは「もののけ姫」の中でも筆者が特に好きなシーンです。
このセリフから、サンは山犬の被害から逃れたい村人によって捧げられた「生け贄」だったと言う悲しい生い立ちが読み取れるのです。
ご存知の方もいるかと思いますが…生け贄とは村に深刻な災いが起きた時、人身と引き換えに神の怒りを鎮める存在であると古くから言い伝えられています。
このように、生け贄として捨てられた悲惨な生い立ちを背負った彼女が人間を憎むようになったのは至極当然の結果でしょう。
サンが「生贄」という生い立ちから得たもの
先述したように「サン」には生け贄にされたという悲しい生い立ちがありますが、その後はどのようにして育ち、そして「もののけ姫」と呼ばれるようになったのか?
その過程については「もののけ姫」の中で触れられていないため、あくまで推測にはなりますが…
モロとサンの雰囲気から察するに、彼女はモロによって本当の娘のように愛情を注がれて育てられたと思います。
しかし、山犬の娘として暮らす上では苦労の連続だったとも推測できます。
当然森には山犬以外にも多くの生物が生息しているため、身の危険が絶えなかったでしょうね。
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彼女は肩身の狭い想いを抱きながら、自分自身をこのような境遇に追いやった人間達を次第に憎むようになったのです。
そして、人間に対する怒りや憎しみこそが他の森に住む生き物たちとの絆を生み、サンはようやく森や動物達から受け入れられるようになったと言われています。
特殊な生い立ちを背負うサンの今後は?
「生け贄」という残念な過去を持つサンは、山犬や他の生き物と一緒に人間に戦いを挑む中、ある日アシタカ青年と出会います。
当初二人はお互いの考え方に戸惑いを覚えたものの、やがて理解し合えるように。
このまま山犬の娘として生きていくべきか、もしくはアシタカと同じく人間世界へ戻るか?
その狭間で揺れていたのではと筆者は考えます。
「もののけ姫」の終盤、乙事主(おつことぬし)を含むイノシシ軍が人間達に戦いを挑む際のこと。
「乙事主さまの目になりにいきます」と告げたサンに対して、モロは彼女の迷いに気付いたうえで「お前にはアシタカのように人間として暮らす道もある」と告げましたね。
モロの愛情に触れたサンでしたが、ここはハッキリと人間の暮らしに戻る迷いを振り払い「もののけ姫」として生きる覚悟を決めたように感じました。
二人のシーンからは、彼女にとって何が一番相応しいのかを考えるモロの母親としての愛情も垣間見えます。
まとめ
暗い生い立ちを払拭し、森と共に生きるサン。いかがでしたか?
「もののけ姫」のヒロインは最後、アシタカのことは好きでも森を侵す人間を許すことができず、結局は山犬の兄弟とともにシシ神がいなくなった森へ帰っていきます。
でも心なしか、その決意を告げた彼女の眼差しが当初より柔らかくなっていると筆者は感じました。
アシタカとの出会いや母親との別れ、そしてシシ神様を失ったことでサンはまた一段と成長したのでしょう。
ストーリーを通して悲しい生い立ちを払拭できて良かったですね!